まだまだ寒い日が続きますが、あしび園の子どもたちは元気いっぱいです!!
2月の活動は節分にちなんで、あしび園ではちょっぴり鬼も登場しました(例年より優しい鬼です)。鬼が怖くて涙が出る子、鬼に立ち向かっていく子、“これは何だ?”と不思議そうに見る子、まだ興味がない子・・と反応は様々でしたが、鬼に対しての子どもたちの反応は一年ごとに変化が見られ、その中で子どもたちの気持ちに育ちを感じます。
そんな活動の様子を少し紹介します♪
午前のクラスでは新聞紙で豆ボールを作り、豆まきごっこをしました。新聞紙1枚を使って硬くて丈夫な豆ボールを作ります。ぎゅっと新聞紙を握り込む力、新聞紙が広がらないようにどこをテープで止めるか考える力・・何気なくやっている遊びの中にも様々な力が隠されています。
まずは作った豆ボールを鬼の的に投げて遊びました。鬼に向かって豆ボールを投げます。
「食べてやる~」と向かってくる鬼に一生懸命立ち向かったり、豆ボールが当たったときの反応が面白かったり・・と楽しみ方はそれぞれです。鬼がいなくなるとホットした表情になっていましたよ。
鬼を退治した後は傘を使っての豆ボール入れゲーム。的に投げ当てるのではなく、傘に入るように上に向けて投げるため、調整もより必要になってきます。上を見上げ、ジャンプしながら頑張って投げている姿に”もっともっと“という子どもの気持ちの高まりも感じられました。
豆ボールが溜まってくると「はっくしょ~ん」と職員が豆ボールをまき散らします。それもまた子どもたちの楽しみの一つになっていました。
午後のクラスは秋に作ったどんぐりコリントゲームの進化バージョン!!みんなで大きなピンポンゲームを作りました。
家から廃材を持ってきてもらい、大きなボードのどこにつけようか、どんな仕掛けを作ろうか、ここに入ったら何点にしようか・・など、子どもたちなりに考えながら作りました。
完成したピンポンゲームにはボールではなく、おもちゃのきのこを転がしました。丸くないので動きも面白く、予測もつかないところがまた、面白さになりました。
どこから転がそうか、こっちの方が面白そう!と繰り返し何度も何度もきのこを転がして遊ぶ姿がありました。
自分一人ではなく、みんなで一緒に作り上げていくことに楽しさや難しさもありました。まだまだ目の前のこと、自分のことに一生懸命で、“友だちと一緒に協力して”“相談しながら”ということはちょっぴり難しかったですが、友だちのやっていることが“おもしろそう”と思って自分もやってみたり、きのこ屋さんになって友だちにきのこを配ってあげたり・・と遊びの中で友だちに目を向ける場面もありました。
それぞれのクラスに合わせて楽しみを作って行った2月。「後○回したら△△組さんも終わりだね~」と言いながら3月の最終日に向けて、残りの1回1回を大切に過ごしてます!!
🌷あしび日和🌷
1990年以降、福山市や近隣の市町で障害児保育の取り組みが活発になっていった頃、保育所や幼稚園に施設支援に出向くと、「療育と保育の違いって何ですか?」と、たびたび聞かれることがありました。そのたびに、「(発達支援の対象となる)個々の子どもに必要なことを意図したていねいな保育だと思います」と答えてきました。また、「保育と療育は違います!」とも、よく言われました。それはつまり、「保育所では療育はできない」という意味であったと理解しています。それだけ、「療育」というのは、専門的で特別なものであるという印象があったのだろうと思います。
あしび園で取り組んでいることは、まさにこの「療育」です。通ってくる子どもたち一人ひとりが必要としていることを意図して、取り組みを考えていきます。それは、単にどんな活動(あそび)をするか、ということだけではなく、今ここで、どんな声かけをするか、どんな手立てをするかということを瞬時に考える、判断するということでもあります。そう考えると、簡単なことではないですし、専門的で特別なことでもあると思います。
ただ、療育施設でしかできないのか?と言えば、決してそうではありません。保育所や幼稚園の中でもできるでしょうし、実際にそのような保育をしているところもたくさんあるでしょう。ただ、あしび園は、親子で通う施設ですから、子どもにとって「今」必要な活動や声かけ、手立てをおうちの方と共有できる良さがあると思います。そこは、きっと「特別」なのだろうと思います。
それぞれに家庭の事情がある中で、あしび園に通うことは簡単なことではないと思いますが、その一回一回が、子どもたちにとって大切な「療育」の時間なのです。そこでは、職員だけではなく、おうちの方も、職員がするように声をかけてみたり、手立てをしてみたりしながら、ともに汗を流しています。そのことに大きな意味があり、みんなで療育を高めて、子どもたちの発達を支えているのです。そして、子どもたちの笑顔に、育つ力に支えられ、励まされ、私たち大人も発達しているはずです。その手ごたえをともに味わっていきましょう。(園長)