11月になり、ようやく秋の深まりが感じられるようになってきました。お散歩が心地よい季節の到来です。外を歩けば、どこかのおうちの庭からきんもくせいの香りがぷ~ん、川土手や空地では、すすきがさらさら~となびき、不意にこおろぎやバッタが飛んできてびっくり!!など、秋を感じられる出合いがたくさんあります。皆さんは、どんな秋に出合いましたか?
さて、今年の夏は異例の暑さで、しかも長くて、子どもたちもぎりぎりまで水遊びを楽しみましたね。もう夏は、たくさん!という感じですが、今回のブログでは、もう少しだけ夏を振り返り、子ども達がとても楽しみにしているクッキングや、夏の名残の色水遊びの様子を紹介します。
あるクラスのクッキングは餃子の皮を使ったピザを作りました。おうちの人と考えて各家庭から持ってきた具材をトッピングします。ケチャップをぬって、具をのせて、チーズをのせて・・・。
「これであってる??」とパパに視線をおくりながら確認します。「だいじょうぶ」と言ってもらえると安心した表情で作業を続けます。先生の説明を思い出しながらの作業は簡単ではありませんが、おうちの人も、心配しつつも、できるだけ手出し口出ししないよう、子どもを信じてぐっと我慢で見守ります。だからこそ上手く出来た時の達成感は大きくなります。
ピザ生地をホットプレートに置く時には、子どもたちの不安やドキドキはいっそう増していきます。ペーパーに載せた生地を落とさないように、手をやけどしないようにと、注意事項を思い起こしながら、いろいろなことに気を配りながら、そ~っと置きました。「どうか、おいしく焼けますように…」
まだかな?まだかな?と何度もふたを開けては閉めてを繰り返し、試食への期待感を膨らませました。
「これだれの?」「チーズとけてる?」と確認して、いよいよ待ちに待った試食です。完成した色とりどりのピザをみんなでおいしく、にぎやかに食べました。ところで、チョコのピザはどんな味だったのかな~
もうひとつのクラスでは色水遊びをしました。先生が用意したのは魔法の水が入ったペットボトル。それをフリフリシェイクすると・・・・「色がかわったーーー!!!」そう、その顔が見たかったの!実はキャップの裏に絵の具が仕込んであるんです。みんな夢中でフリフリフリ。できた色を混ぜ合わせて色づくりを始めます。
「むらさきのぶどうジュース作るのは、赤と青!」「赤と黄色でオレンジジュースになった!!」「黒ってどうやってつくる?」と自分で考えて混ぜたり、友だちに聞いたりしながらにぎやかにジュース屋さんが始まりました。
いろんな色が完成すると、今度は折った障子紙に色をつけていきました。はじめは、先生と同じ色を使ってまねしていた子も、紙の折り方を変えたり、色水をつけるところを変えたりと、自分流に工夫しはじめます。
「オレのこんな色になったーー!」「うわ、すげー。なんか模様がちがう!」「オレもやってみよ」
色を作ることも楽しさの一つですが、作りたい色を想像しながら調整したり、友だちのを真似したり、出来ない時には友だちに聞いたり、友だちに刺激されて何回も何回も色をつけたりなど…。干して、つけて、干して、つけてを繰り返し、とってもきれいなカーテンが完成しました。繰り返し楽しめる遊びってとっても素敵ですね。
🌸あしび日和🌸
療育の中では、子どもの発達を捉えながら、活動をつくっていくのですが、そもそも、生活や遊びの中で子どもたちが見せる姿の中にこそ、発達の力が見え隠れしているのです。悩む姿、考える姿、たじろぐ姿、尻込みする姿、やり直す姿、ひらめく姿、助けを求める姿、こっそりまねる姿などなど…どの姿も真剣そのもの。そして、どんな姿にも、子どもなりの思いがあり、本当のねがいがあり、発達的な意味が隠されています。それを読みとることのおもしろいこと!これだから、療育することをやめられない!と、常々思います。
もちろん、いつも正解するわけではありません。「あれ?違ったかな?」と思うこともあります。そうなると、こちらも視点を切り替えて捉え直さなければなりません。そうでないと、子どもがやってみたいと思えるような、心惹かれるような遊びをつくり出せないのですから。
クッキングや色水遊びの中にも、子どもの発達の姿が、ぎゅぎゅぎゅ~っと詰まっていて、見え隠れしていますね。写真の中に切り取られた姿からも、子ども達のワクワクやドキドキが伝わってきて、自然に顔がほころびます。皆さんには、どんな思いが、ねがいが見えますか?
療育の中では、子どもの内面をていねいに捉えていきたいと思います。そして、捉えてみたことを自分だけのものにするのではなく、みんなで語り合えたらなと思います。いろんな目で、心で捉えたことを言葉にすることで、子どもの見方が変わったり広がったりするのではないでしょうか。それは、職員にとっても、おうちの方にとっても学びになると思うのです。あしび園では、おうちの方が子どもと一緒に遊ぶ楽しみ、新たな発見や気づきへの驚き、子どもが変わっていくことへの手応えや喜び、そして、「学び」を得られればと思います。ちょっと、欲張りでしょうか?でも、そんな場所でありたいと、いつも思っているのです。 (園長)