卒園式を前にして、年長さんたちは、午後の時間を使って、修了証書の受け渡しと歌の練習をしてきました。
名前を呼ばれて返事をして、前に向かいます。
立ち位置で、進路先を紹介され、園長先生から証書を受け取ります。お辞儀をして、お礼を言います。
受け取ると、舞台端まで戻り、証書を持ち替えて、高く掲げます。ここでみんなに見てもらいます。
そして、席に戻っていきます。一人一人が主役で、25分近く続くんです。卒園児にとっても在園児にとっても楽ではありません。集中が続く時間ではないんです。でも、気持ちが続かないけれど、自分の出番を意識ている卒園児。すごいな!やりたいな!と思っている在園児。
送る側、送られる側。どちらにも大切な育ちが膨らむ場面でもあります。
年長さんたちは、やっぱり、年少さん年中さんのお手本であり、憧れなんです。
憧れがあって、子どもたちの意思は膨らんでいきます。手ごたえにつながる意思を持つことができていきます。ステキなお兄ちゃん、お姉ちゃんたちでしたね。
年長さんの中には、この練習が進むにつれて、涙する姿が目につきました。
嫌なことがあった?思い通りに行かない?不安?いろんな理由が考えられます。
彼ら、彼女らの姿を見ると、「さみしさ」「かなしさ」「つらさ」という感情があふれているように感じます。‟卒園したら学校へ行き、草笛での生活ではなくなる”というはっきりとした見通しではないにしろ、‟おわかれ”‟自分の居場所ではなくなる”という漠然としたものではあるけれど、これから違う世界に向かう自分自身を感じているのではないでしょうか?
卒園式は、証書を掲げ、立派になったなぁという姿を見る場ではありません。
証書を掲げて、自分のできると感じている姿をみてもらいたいという子もいるでしょう。できるかできないかと不安に思いながら、不安を払しょくしようと戦っている子もいるでしょう。張り切りとさみしさを行きつ戻りつしている子もいるでしょう。
一人ひとり、この場で感じていることは違います。
その一人一人が、大舞台で、自分自身と向き合う式です。
ここまで育ててくれたお母さん・お父さんに感謝をこめて、精いっぱいの自分を見せてくれます。
厳粛な思いで、子どもたちを見てあげてください。
この子たちの6年間の成長をみんなで見届けたいと思います。
よろしくお願いします。