食べきりたい理由がないと、“ご飯を空っぽにする”というのは、子どもたちには意味がありません。
先々週、Yくんは、副菜を急いで食べて、ご飯のお代わりをもらいに来ました。残念ながら、ナスが残っています。「ナスも食べたら、おかわりにおいで」と、つき返します。しぶしぶと、戻りながらも、悩みます。「ごちそうさまにしましょうよ」と終わりを促すと、「おかわり」と訴えます。おかわりを食べたい気持ちが勝っているようです。この気持ちがあるときは、ナスとにらめっこができるということです。そこで、Y君自身がどうするか?が見ものです。小さくしてもらう中で、食べきって、おかわりをもらい、満足そうに、遊びにやってきました。食べきりたい理由がそこにはありました。
先日は、ご飯とお汁と副菜をほどほどに食べ、苦手な魚を前に、食べる気はうせて、スプーンでお茶を混ぜたり、トレーをたたいたり・・・。食べきりたい理由があるかどうか?試してみることにします。「ごちそうさましますか?」と尋ねると、「うん」と、勇んで片づけ始めました。
行動が早いかどうかといえば、遅いYくんが、勇んで片づけているのですから、ご飯よりも違うことへ向かいたいと思っているのが感じられました。(ご飯は十分食べていないかもしれませんが、何かに向かって行こうという気持ちも大切です。時には、確かめてみることも必要なんです。)
ご飯のあと、歯磨きの用意!忘れていた口拭きの片付け!歯磨きを終えて、コップの残り水をこぼしたのをふくこと!全てがスピーディーでした。そのあと、先生の手を引き、室内のバスへ連れて行き、描かれているマークを教えてくれたり、同じマークのお友だちの名前を呼んだり、嬉しそうです。
そのあと、玉入れをみんながしていると、ボールを一つ、二つ、三つと手に。もっともとうと、ボロボロと・・・。欲張りの姿がまたいいんです。
ご飯を食べきるよりも、いい姿が見れました。