例年になく短い梅雨が終わり、あっという間に厳しい暑さがやってきました。園庭のかたつむりもどこかに行ってしまいました。
6月は、梅雨の晴れ間をねらって、毎年恒例の泥んこあそびを楽しみました。
4月から3ヶ月。子どもたちもあしび園の生活に少しずつ慣れ、外遊びへの見通しができてきたところでの泥んこあそびです。登園したらまず荷物を片付けて、裸足で園庭へGo!!お水の入ったバットの中へボチャンと入ったり、水たまりの中をバシャバシャ走って大満足(#^.^#)という子がいれば、一方で、汚れるのは苦手…ましては裸足になるなんてムリ!という子もいて、まずはキレイなお水から少しずつ慣れるように、水の感触を確認しながら、「お水に泥が入ったら色が変わったよ」と変化を発見して、だんだんとお水って楽しいなを感じてきています。
今回は、そんな楽しい泥んこあそびの様子を紹介します。
*的あて(おばけ編)
午前のグループは、徐々に水や泥に慣れていくように、お水やさんから水をくんできて流したり、泥を入れて混ぜてお料理したり、しっとりしたあそびから、だんだんと泥だんごを作ったり、それを転がしてみたりと緩やかに遊びます。
ところが、そこへ…おばけのまとがやってきて「さあ大変!!」
オバケに向かって「エイ!」と泥だんごを投げると「いてててて…」。最初こそ驚いたもののおばけがオバケの反応が楽しくって、「もう一回!」と的に投げつけます。大人は子どもたちのために、せっせと泥だんごを作ります。その気持ちが途切れないように、もっともっと高まるように。そのうちに子どもたちは、遠くにいるお母さんの所まで走って泥だんごを取りにくるのです(^^)
*的あて(クッパ編)
大きいクラスでは、ダイナミックにクッパの的へ向かって、思いっきり振りかぶって「エイッ!!」と泥だんごを投げます。どんどんクッパは真っ黒になり見えなくなってしまうと…今度は救助隊の子どもたちが出動です!お水を持ってきて、きれいに洗ってくれます。「汚すのと洗うのと…さあ、どっちが早いかな?」、大人たちも「助太刀いたす」と泥だんごを作ったり、お水を溜めたり大忙しです。「早くやりたい」という子どもたちの思いに大人が一緒になって楽しむことで「もう一回」と楽しみに繋がってきています。
*ダムづくり
午後のグループは、自分たちで道具を選んで、コースを作り、ジャンジャンお水を流します。あっという間に大きなダムの出来上がりです。ダムの中にトンネルを作ったり、ジャンプ台を作ったり、遊び方は無限大です。友だちと相談したり、協力したり、時には大人に手伝ってもらったり、やりとりをしながら「どんなのが出来るかな?」とワクワクを楽しんでいます。
*泥だんごづくり
午後のグループは、ピカピカ泥だんご作りにもはまっています。「ここの泥は固まりやすいよ」「サラ粉で作ったらピカピカになるよ」と子どもたちで教え合いながら、お互いに出来た泥だんごを見せ合いっこして、友だちを意識したやりとりが飛び交います。そんな中、自分の子どもの頃を思い出した大人たちの方が夢中でサラ粉を集めピカピカ泥だんごを作っている姿がありました(*^^*)。それを見た子どもたちは、キラキラした尊敬の眼差しで見ています。大人も子どももいっしょになってたくさんの泥だんごをつくりました。
出来た泥だんごを大事に見つめ、ステキな達成感を味わうことができました。
こんなふうに、楽しいあそびを通して、子どもも大人も一緒になってあそぶことで、「たのしいな」「うれしいな」「もう一回」の気持ちを膨らませ、大人と一緒だからやってみよう、友だちと一緒にだからたのしい、そんな気持ちの育ちを感じることが出来ました。
🌺あしび日和🌺
あしび園では、泥んこ遊びに限らず、どんな遊びでも、子どもたちが楽しむ姿に思いを寄せながら、環境づくりや教材づくりを進めていきます。必ずしも、盛大でダイナミックであればいいわけではありません。ベチャベチャした感覚や衣類や靴が濡れたり汚れたりすること、大きな音や賑やかな雰囲気が苦手な子もいます。人によって、見え方も聞こえ方も感じ方も違うのです。どれがよくて、どれが悪いということなど、なにひとつありません。違っていて、当たり前なのです。
とはいえ、なにかしらの縁であしび園と出会い、あしび園に通う中で、さらにいろいろな人と出会い、場所や時間を共有するのですから、できることなら、そこでの活動の中で、楽しさや心地よさ、時には頑張りや踏ん張り、そして悔しさなどなど。様々な情動も共有できればと思っています。
そうした思いの中で、泥んこ遊びも展開されていきます。まずは、「見るだけ」。先生やお母さん、お友だちが何をしているのか?それから、きれいな水になら、「ちょっとだけ」なら触ってもいいかな?(きもちいい~♪)。ベチャベチャではない、ゴロンと大きな泥だんごを持ってみるだけならいいかな?それを樋から転がしてみようか?コロコロコロコロ…ドボン!(水たまりの中。うわっ!)
ちょっとだけ、手が汚れちゃった…(洗ってきたら、きれいになったよ!)よし、もう大丈夫。そんなふうに、まずは大人が楽しんで見せながら、あんなふうにしてみようか?これはどうかな?と興味をつくりだしながら、子どもが、「ちょっとだけならやってみようかな?」と思う瞬間を見逃さないで、苦手だなと思うところをていねいに支えながら、少しずつ間口を開いていきます。
おばけの的は、子どもの心をぐっと惹きつけてくれました。おばけが怖い子は、負けるもんか!と応戦します。黒子(先生)の「イテテテ~」の声も、子どもたちを「その気にさせる」仕掛けのひとつです。4,5歳の子どもたちは、役割分担もしながらあそびが展開されていきます。大切なことは、「楽しいこと」。そしておとなも「楽しむこと」それが、療育のキホンではないでしょうか。
さあ、いよいよ夏本番ですよ!!プール遊びが待っています。子どものペースで、楽しみを広げていきましょう。(園長)