長かった夏もようやく終わりを迎え、朝晩は涼しさを感じられるようになりました。とはいえ、日中の暑さは継続中。プールが終わったあしび園はつかの間の泥んこ遊びを楽しみました。
午前のクラスでは、前日に年長さんが作った長い川が大人気!目を輝かせながら我先にとスコップを持ってくる姿が見られました。プール前には裸足になることに抵抗があった子も、馴染みの顔ぶれの中で、友だちやお母さんの姿に触れ、「ジブンモ!」と、裸足で遊べるようになっていました。
あんまり楽しそうなので、名残惜しい気もしますが、そろそろ遊びも衣替え。泥んこ遊びもまた、来年!

室内では、どのクラスも絵の具遊びを楽しみました。
それぞれのクラスの姿に合わせた道具を使い、絵の具に触れていきます。絵の具の道具は割りばしの先にスポンジをガーゼで包んだ〈たんぽ〉や、ヤクルトの容器にスポンジをつけた持ちやすいスタンプを使いました。大好きなはらぺこあおむしにポンポンと色を付けていきます。
たんぽの持ち方もそれぞれですが、紙に押し付けると色がつく不思議さやおもしろさが気持ちを高め、どんどん「ぽんぽん」していきます。白かったあおむしがみどり色に変わっていきます。“ふしぎと思う心”は、興味を広げてくれます。「なんでかな?」「おもしろいぞ」とぽんぽんしていくうちに、やがて、線を意識する姿が見られるようになりました。調整する力も引き出されます。



午後のクラスでは絵本「ばけばけばけたくん」から自分の色を作っておばけを塗りました。絵本のイメージのように、「ぶどうを食べたばけたくん」「キウイを食べたばけたくん」など、思い思いのばけたくんができあがりました。

「これは、何を食べたんかなあ?」とたずねると、「ブドウヨ!!」と教えてくれました。
ばけた君みたいに、おなかいっぱい食べたいなあ…そんな気持ちが伝わってきました。


他のクラスでは、穴の開いた台紙の上からポンポンとスポンジで色を付ける、“ステンシル”を楽しみました。きれいな色の花火ができました。

絵の具を使ったあそびは何通りもあります。これからもまだまだ絵の具あそびを楽しんでいきたいと思います。
別のクラスでは朝の自由時間に、先生とのマテマテあそびが盛り上がりました。「くまさん」になりきった先生に追いかけられると「きゃーーー」と言いながら子どもたちが逃げていきます。それだけでも楽しいマテマテあそびですが、もう一人の先生が隠れる場所を作り、「早くかくれてー!」と声を掛けるとみんな一緒に衝立の後ろへ隠れます。すると、くまさん先生が「とん、とん、とん」と衝立をノック。みんなは息をひそめて隠れます。

ドキドキ、わくわく、ひやひや・・・。みんなの視線はくまさんに。
次の瞬間、くまさんは「ふぅふぅのふーーー!」と衝立を倒してしまいます。もちろん子どもたちはというと・・・

同じ方向に、同じように、同じ笑顔で走り始めました。
あしび園ではおなじみの「マテマテあそび」は、追いかけっこです。大人が「まてまて~!」と追いかけるからそう名付けられています。きっと、標準語ではありません。ただし、この地域の療育施設では、おおむね共通語です(^^;)
シンプルなあそびですが、追いかける側はオオカミになったり、ねこになったり、ザリガニになったり。そして逃げる方は、こぶただったり、ねずみだったり、おたまじゃくしだったりします。あしび園では「くま対こどもたち」ですが、大人がくまになりきることで、かたや子どもと一緒に本気で怖がってみせることで、子どもたちは一気にその世界に引き込まれます。くるかな?まだかな?と期待する気持ちや、つかまったらこわいな…、という不安、でももう一回やりたい!という楽しみなど、マテマテあそびには子どもたちの心をゆさぶる魅力がぎゅ~っと詰まっています。
また、ずっと走り続けるだけではない“しかけ”があることで楽しみはさらに広がり、少しずつどきどきわくわくを共有する友だちを意識し始め、一緒に遊ぶ楽しさを感じられるようにもなります。マテマテあそびの楽しさは無限です。少しずつ形を変えて、楽しみを広げながら、しっかり走って身体づくりもしていきましょう!おうちの方もご一緒に(^_-)-☆
🎨あしび日和🎨
ようやく、秋の気配を感じられるようになってきました。いつまでも、暑い暑いと思っていましたが、空を見上げれば、いつの間にか、モクモクの入道雲はいなくなって、うろこ雲やすじ雲に代わっていました。夏が長くなったように思いますが、ちゃんと季節は巡るものだなと、しみじみ思います。
4月から半年が過ぎ秋を迎えました。一年も折り返しです。1歳の秋、2歳の秋、3歳、4歳、5歳の秋と、子どもたちが見せる姿はきっと同じではありません。皆さんにとって、今年の秋はどんな感じでしょうか?
たった半年では目に見えて変わらないかもしれません。半年経ったのに、前よりも大変になったような…そんなふうに見えることもあるかもしれません。それでもきっと、子どもは前に進んでいます。後ろに下がることはありません。ただし、下がっているように見えることはあります。
それは、子どもが悩んでいるからです。「どちらにしようかな?」と悩んで選ぼうとするようになれば、親の差し出すものを必ずしも受け入れてはくれません。「こうしよう!」と何かを見据えるようになれば、親の誘いかけなど簡単には応じてくれません。ましてや、「こうしたい!!」と自分で決めたい気持ちが膨らめば、いよいよ一筋縄ではいきません。いちいちぶつかって、待って待って待って、親は途方に暮れてしまうでしょう。
でも実は、そうして子どもが悩むこと、選ぶこと、目的(見通し)を持つこと、自分で決めることが、前に進んでいるということに他ならないのです。「新しい発達の力」というべきものなのです。とはいえ、時間は容赦なく流れていきますから、立ち止まってはいられない、付き合いきれないことは山ほどあるでしょう。生活がスムーズに運ばないというのは、なかなかしんどいものです。
だからこそ、あしび園での時間は、子どものペースで、思いを聞きながら(必ずしも受け入れなくてもよいのですが)、全力であそびましょう。疲れたら休みましょう。そして、子どもの発達の力を一緒にみつめていきましょう。
