1月があっという間に過ぎて、2月もはや半ばを迎えます。
2月は一年の中でも一番寒い時期ですが、子どもたちは元気いっぱいです。登園後は早々と片付けを済ませて園庭に駆け出していきます。おうちの人も、気合を入れて?!後に続きます。園生活に慣れた子どもたちには、何かしらの目的があるようです。
園庭には、乗物あそびや砂場あそび、ボーリングなどを設定しています。子どもたちがそれぞれにやりたいことを見つけては、職員やおうちの人、友だちと一緒にたっぷり遊びます。乗物あそびでは、園庭のコースにガソリンスタンドや踏切があります。いずれも大人が待っていて、子どもたちを受け止めます。子どもたちはそこを手がかりや楽しい見通しにしながら、気持ちを繋げて何周も何周もコースを回ります。踏切では職員が、「カーンカン」と言いながら遮断機を下ろしたり、おうちの人が、「ガタンゴトン」と言いながら電車になりきって遊ぶことで、子どもたちの気持ちも高まり、あそび全体が盛り上がります。
続いて、1月の設定活動の様子を振り返ってみたいと思います。
毎月最終週はクッキングをするのですが、子どもたちにとっても楽しみな活動になってきました。2歳児を中心とした午前中のクラスでは、12月に続いて2回目のお好み焼きでした。“次は○○”と見通しをもって自分から道具や材料を取りに行く子がいたり、前回は見ているだけだったけれど、おうちの人と一緒にやってみようと挑戦する子がいたりと、2回目だからこその姿が見られました。
もやしをポキポキ折ったりキャベツを小さくちぎったり、おうちの人に手を添えてもらってフライ返しでひっくり返したりしました。一つひとつの作業には大人の支えも必要ですが、そうした中でも自分の手でできることがうれしい、楽しいという思いが見受けられました。
ホットプレートで焼く時は、子どもは熱さに尻込みしたり、大人はやけどをしないようにと、少し緊張感が高まります。ボウルに入った生地をおうちの人と一緒にゆっくり流し入れていきます。「あつまれ~あつまれ~」という声を手掛かりに、子どもがスプーンを使って生地を寄せ集めました。からっぽになると笑顔を見せる子どもたち。やりきったからこその満足感なのでしょう。
いよいよ待ちに待った試食です。ま~るい焼きたてのお好み焼きをおうちの人に小さく切ってもらって自分でフォークで刺して食べていました。
そんな中、Nちゃんも自分で食べようとしますが、上手くフォークで刺せません。その様子を見たお母さんは手伝おうとしましたが、なんとNちゃんは、その手を振り払ったのです。ちょっと戸惑うお母さん…
そばにいた職員がNちゃんの思い(ねがい)をわかって受け止めて、少しだけお母さんに手伝ってもらうことにしました。「小さくしたら、自分で食べられるよね。」Nちゃんはお母さんが小さくしてくれるのを待って、フォークで刺して食べました。
めでたし、めでたし。
キャベツがぎっしり入ったお好み焼きでしたが、焼き立てはモッチモチ。子どもたちも満足そうにぺろりとたいらげました。
後日、「おうちでも作ってみました!」「野菜が苦手なのに食べられてびっくり!」といった感想がありました。あしび園での経験が、おうちでも再現できて、他の家族と楽しさを共有できるって素敵だなぁと思いました。
☃あしび日和☃
暦の上では立春を迎えましたが、その矢先、全国的に最強寒波の到来!とのことで、先週から連日大雪のニュースが続いています。この地域も雪こそさほど降らないものの厳しい寒さが続きました。この先は、少しずつ寒さが緩んでいくのでしょうか。。。
さて、今回は2歳児のクッキングの様子をご紹介しました。子どもは2歳頃になると、運動的には歩行もしっかりしてきますから、歩けることがうれしくてよく動くようになります。よく動くとその分いろいろなものが目に留まるようになりますから、探索活動はさらに活発になっていきます。大人の様子にもつぶさに目をやり、大人が使っているものに興味を示したり、大人がしていることに憧れたりするようになります。夕飯をつくるお母さんの横に来てのぞき込むのも、お父さんの靴をはきたがるのもそのためです。
とはいえまだ2歳ですから、包丁を渡すわけにはいきません。もちろん、大人と一緒にということであればよいのですが、Nちゃんのように「ジブンデ!」という自我が膨らんでくる時期でもありますから、おちおち手など出せません。そうなると、子どもが「自分で」「一人で」できることを考えなければなりません。
というわけで、あしび園では、「もやしをポキポキ」「キャベツをビリビリ」なのです。「危ない、危ない」と止める必要はないのですから。ただし、キャベツが小さくなくても、もやしが小さくなりすぎても、そこはよし!ということで。子ども自身が、「自分でできた」という手応えや満足感が大切なのです。そして、こうした経験の一つひとつが、子どもが発達するための栄養や原動力になっていくのです。
そうは言っても、毎日なんやかんやと忙しい!夕飯は手早く作って食べさせたいし、かえって手がかかってしまうから手伝わせたくないという方も少なくないでしょう。ですから、公園や買物やドライブに出かけるのと同じに、まずは、休日のイベントの一つとしてやってみるのはいかがでしょう。たまごをシャカシャカ混ぜたり、生地をコネコネしたりちぎったりするのも楽しいですね。時間も心もゆとりのある時に、ぜひそんな時間をつくってみてはいかがでしょうか。「楽しいね」「じょうずだね」「おいしいね」「ありがとう」を家族で共有できる、そんなホットな時間を持てるといいですね(^_-)-☆ (園長)