年に一度のおもちつき。
子どもたち一人一人が主役になれる舞台でもあります。
でも、誰もが、うれしい、誇らしい、待ち遠しい!という気持ちではありません。
みんなに注目されることで緊張したり、「デキルカナ?」と不安に思ったりする子もいます。
お友だちが上手につくと、その分だけ、自分にもできるかな?いや、できないよと、心がしぼんでしまう子もいます。
でもそれは、「シタクナイ!」「イヤダ!」ということではありません。
子どもの内面にはきっと、やってみたいという願いがあるのです。
私たちはいつも、そんなふうに子どもの気持ちを理解し、受け止めたいと思っています。
そして、そんな揺れる気持ちをどうやって支えようかと考えます。
「じゃあ、先生と一緒にやってみよう!」
心配そうに見守るお母さん。
笑顔で見守る、つき手のお父さんたち。
そこにいる誰もが、優しい気持ちで見守ります。
すると、子どもの手が杵に。
先生と一緒ならば、持てるのです。
きっと、本当は、持ちたいのです。
先生と一緒につけた!という思いの一方で、「一人でできなかった」という思いもあるでしょう。
そんな思いの中で、出番がつくられました。
次のクラスのために、石うすをきれいに洗います。
これなら、自分の手でできます。
素敵な友だちと未熟な自分を比べる必要はありません。
みんなの中で、役に立つ自分でもあるのです。
これで、子ども本人が、満足したかどうかはわかりません。
大人の自己満足だけなのかもしれません。
それでも、子どもの「ほんとのねがい」に心を寄せる確かな存在でありたいと思っています。