レポート発表をしていただいたOさんの息子、Tくん。
よく、動くんです。話を聞いているのかいないのか、返事をしながらも話の途中でどこへやら。
キョロキョロしすぎで、前を見ず、ぶつかる、転げる。
行ったはずの途中で、違うことをやっているのは当たり前。自分のことより、人のことが気になる。
そんなTくんでした。
ごはんあとに、廊下で出くわした際に、口の回りが汚れているので、「Tくん、口が汚れているから、拭いておいで」と声をかけました。すると、どこへやら。近くの水道へ行くのか、ティッシュを取ってくるのかと思っていたのですが、れんげの部屋へ戻ってしまいました。
あれ?また、違うことに変わったのかな?と思っていたのですが、片づけたおしぼりをおしぼりケースから出して、拭きなおしているではありませんか!忘れてなんかいません!
「汚れている」と言われ、どうしようかなと考え、きれいにするためにティッシュや水道、おしぼりがあり、その中からおしぼりを選び、自分のおしぼりを使うことを考えて、いろんな刺激に惑わされずに、教室に戻り、やりきった。
簡単なようで、決して簡単なことではない行動なんですよね。
口を拭いたあと、おしぼりを片づけ、あそびに向かっていました。
あそびに向かう前に、また、声をかけました。「お口、きれいになった?」
うなずいて返事をしてくれました。口の周りはまだ汚れてはいるんですが、きれいにしようと思い、拭いたことは紛れもない彼にとっての事実です。「あ、ホントだ。きれいになったね」と、きれいにしてきたという一連の行動を確かめ合うわけです。確認しあうことで、Tくんはきれいにしてきたことを意識し、きれいにしたことを認めてもらうことができていきます。
Tくん、近頃、すみれやたんぽぽへ行って、お昼寝のマットを敷くのをしようとしたり、カーテンを締めようとしたり、パジャマの子を撫でていたりしています。一仕事終えるまでは、他へは行きません。
れんげとは違う見えない場所でしていることも、頭の中で描けているんですね。
そろそろ、あのクラスは、お昼寝の準備があるぞ、何がいるのか、どうするのか、たくさんのことを描いているので、刺激に惑わされることなく、描いていることへ向かっているのでしょうね。
「すごいなぁ」と感じるTくんです。