発表会の舞台裏、子どもたちも先生たちも、どんな風に過ごしていたでしょう?
ワクワクもドキドキも共に感じ、舞台の活動に向けて、身体も心も準備をする場です。
自分の出番に、期待を向けながら待つのは、子どもたちによって、待てる長さが違います。
「ぶたさんが順番に家を紹介しているなぁ、その次が出番だなぁ」とストーリーに沿った活動を描きながら自分の出番を待つ子もいます。
おむすびが見えると、転がしに行きたい。名前を呼ばれていけることに期待して、出番を少し待つ子もいます。
とにかく、「早くいきたい」と待つのがピンとこない子もいます。
待つことをするのに、何かをしながら待つ形を用意することも大切です。
始まるまでは、いつも見ている絵本に気をむけて待っています。
この舞台裏では、子どもたちが気持ちを落ち着け、楽しみに向かえるように、先生たちの工夫と配慮がいっぱい見える場でもあります。
Rくんは、このソファーが居場所なんです。ニコニコ笑顔でいれる場所です。
出番が近づいてくると、先生は何度か声をかけて、Rくんの気持ちに「トンネルくぐりにいくよ」という働きかけます。落ち着ける場があるから、活動に向ける準備をRくんがしていけます。
楽しいと思えるようになった"おむすび〟を手に待っているTくん。これを持つと、気持ちがウキウキするんです。この"おむすび"、T くんのだけ、特注なんです。中に鈴が入っているので、振ると音が鳴るんです。だから、おむすびを手にすると、振って鳴らしているんです。出番でなくても、発見できた楽しみを楽しむことを大事にしています。だから、舞台も楽しいものになっています。
することがはっきりすると、楽しめるKくん。色んなものが気になって、舞台も舞台裏も大忙しです。どうしたら、することがはっきりするかと考えながら、こっそりとよく使っているハサミを差し出しました。黙々と真剣な顔と手つきで切り出しました。出番が近づくと、気持ちを変える準備の声かけをしていきます。すっと、終わりになるわけではありませんが、「最後に、もう一つ気ってね」とおまけのワン切りをお願いします。すると、はさみをしまい、舞台に向かいました。
舞台の上では、できたか、できないかが見えてしまいます。
でも、舞台の上でも、できていないように見えて、すごいことだったり、舞台の裏でも、子どもたちのステキがたくさんあったりします。
見えないステキをいっぱい感じてもらえたらと思います。