いよいよ、運動会がはじまりました。トップをきって、うさぎグループの子どもたちが競技に挑んでくれました。トップバッターというのは、すべてが初めて尽くしになります。万国旗が飾ってある遊戯室を目にするのもお初。お母さんたちが応援に来ているのを目にするのもお初です。そんな中、やるんですもん、すごいことです。
始まる前にも話しましたが、今日、目にする子供たちの姿は、当たり前に見せている姿ではなく、練習し始めるところから、今に至るわけです。今にある姿は、次の姿になっていきます。どの子にも、経過があります。その経過を大切にしていく事が必要です。運動会では、一番面を見てもらうことになりますが、それまでの子どもたちの姿や思い、今の姿や思い、そして、これから、どんな姿や思いにつながっていくのかを描いてもらえると、うれしいです。
うさぎさんは、買い物を見立てた競技でした。子どもたちは、何を買いに行くのかを決め、手に入れ、運んで帰ります。運んでゴールというのが設定なのですが、Sくんは、ゴールした後にアイスクリームを手にし、お母さんのもとへ、「アイス、ペロペロして」と運んでいました。練習の時も同じようなことをしていました。Sくんにとって、この競技は、先生たちの目論んでいる買い物をイメージした活動になっていました。だから、運んでゴールではなく、「買い物をしたものをいただく」という本来の、おいしく食べて、満足満足というものになっていました。運動会というのは、体育活動です。だからと言って、運動機能のことだけを取り組んでいるのではなく、子どもたちのもっている、楽しみ方や見通しの持ち方や意欲などを最大限、活かしていくものです。幼児期だからこそ、そうした子どもたちの世界を広げていく事もできる取り組みだと思います。Sくんの姿は、そうした子どもの視点や世界の広がりを教えてくれるものでした。