久しぶりに、子どもたちの賑わいが戻ってきました。
笑顔があふれているって、いいですね。笑い声や泣き声が聞こえるって、いいですね。
子どもたちが、玄関にやってくると、いろんな表情があります。
この表情で、どんなことを思っているのかを察するのも、朝の楽しみです。
立ち止まって、固まっている表情は、まさに、困っています。どこにきたの?何をしているの?人がいっぱい?ぶつかってきた?背中を押された!もういやぁ~!といったところでしょうか。うれし気に靴を片付けて、教室に向かう子は、十分に見通しがあるのでしょうね。見通しがあって、靴だって片づけていますが、声をかけられて、ほっとしている子もいます。いつもすることだから、当たり前というのは大人の思いであって、子どもにとっては、本当にこれでいいのかなぁと心配の心で、過ごしていることもあります。そんな時に、「それでいいよ」「よくできたね」と声をかけてもらえるのは、安心のことばになります。靴を脱ぐ前に、あいさつにやってくる子もいます。靴を片づけずに、靴を持ってくる子もいます。来たことを伝えたい思いが大きいということでしょうね。靴を脱げたことを喜んでいることでしょうね。だから、「おはよう」と答えてあげることが先です。(靴をはいてあがってきていますが)「よく、ぬげたね」と答えてあげることが先です。そのあとで、ちゃんと、靴を脱いでくれます。ちゃんと、靴箱に靴を入れてくれます。
そんなドラマの日々が戻ってきましたね。
久しぶりの登園ですが、案外、子どもたちは自分の部屋に向かうんです。片づけが終わると、園庭に向かうんです。あそびを楽しみに感じているからでしょうか?すみれさんは、先の見通しが持ちにくいから、初めのころは、教室の横の小さな園庭で遊んでいましたよね。部屋からの行き先が見えるので、気持ちが向きやすくなります。だから、近くに遊び場の設定をしていたわけですが、今度は、目の前に見えない場所が遊び場です。
何回か、過ごした子は、カバンを片づけると、玄関にやってきます。靴を履くと、園庭に向かっていきます。部屋の中で、過ごさないといけない子もいます。園庭に行くよりも、すみれの部屋の方が安心だからでしょう。先生が一緒に乗る行くと、不安ながら、園庭に向かう子もいます。その過程を大切にするのが必要です。
園庭では、いろんなことをして遊んでいます。ジャングルジム・ブランコ・乗り物・ままごと・走り回り・階段下をうろうろ…。とにかく、気持ちと身体が開放されていて、のびのびです。この自粛の間は、大人も子どもも、気持ちも身体も窮屈でした。この窮屈に押しつぶされそうな日々でしたね。やっと、のびのびです。
のびのびすることが子どもたちの成長の出発点です。まずは、子どもたち一人ひとりが自分の楽しみを見つけ、自分の楽しみをたくさんやって、満足できて、他にも楽しいことがあることに気づいていきます。久しぶりの遊びは、それぞれがそれぞれで楽しむ姿です。みんなで楽しもうという前の楽しみがあふれています。しばらくは、この楽しみ方が必要ですね。ついつい、焦ってしまいますが、楽しみの充実をしていく段階です。それに合わせて、集団で育ちあう力も促します。こんな楽しみもあるよと、お友だちとの楽しみを盛り上げていきます。ジャングルジムからの呼びかけ!段々と子どもたちがやってきます。てっぺんまで登る子もいれば、一段上って、見渡している子、下で上を眺めている子。乗り物レースでは、先生の合図に、スタートをきっています。自転車、走って、おんぶで。先生やお友だちの動きや声に惹かれて、つながっていきます。直接、関わっていないかもしれませんが、人のことを気にし、人のことが良いと感じ、人とつながることへのあこがれが大きくなってきます。
一人ひとりの取り組みだけでは、身につかない力です。草笛での療育は、個別での取り組みでは身につかない集団を通しての療育、生活や遊びを通しての療育が子どもたちを育てていきます。
今回のコロナの件では、世の中では、リモートやソーシャルディスタンスという新しい生活様式を求められています。療育や教育の中でも、オンライン療育なんて始まっています。ですが、久々の子どもたちの姿を見ると、やはり、人と人とのやりとりに楽しみや意欲を持って生活する子どもたちには、必要な取り組みなんだと改めて感じることができました。
本来だと、保護者総会や参観日で、草笛での療育についてお話をさせてもらうのですが、できていない状況です。新入園の保護者さんにとっては、本当に、療育生活って何なんだと思われていると思います。
先に書いている久々の子どもたちの様子には、療育目標としている「集団の中でともに育ちあう子どもに」「明るくのびのび元気な子どもに」「意欲をもってがんばる子どもに」といった思いでの取り組みです。
さぁ、今年度のくさぶえの仕切り直しです。
子どもたちの笑顔を大切に、がんばっていきます。
保護者のみなさんも、よろしくお願いしますね。