オリンピックが始まり、連日、日本のアスリートの活躍が光っています。コロナ禍の中、今まで努力してきたことが示される機会が持てたことは、本当に良かったと思います。私たちもたくさんの勇気や希望をいただいています。このオリンピックの開会式では、『多様性』を認めあうことが表現されていました。この多様性というのは、人種、国籍、宗教、障害、性別、性的思考、年齢などの違いがある中で、お互いに認め合い共存していこうといった趣旨かと思います。
5年前、障害者施設「津久井やまゆり園」で19名の命を奪う事件が起きました。あの日のことは、鮮明に脳裏に焼きついています。悲しくてつらくて悔しくて…。「障害者は不幸をつくることしかできない」「障害者には生きる価値がない」という犯人(元職員)の言動は、人の命に優劣をつけ、障害者は劣った命だと言わんばかりです。劣った命は排除してもかまわないとする「優生思想」が大きな問題となっています。
私たち一人ひとりには、かけがえのない命があります。命の重みに軽いも重いもありません。草笛の子どもたちも、どの子もかけがえがなく、泣いても笑っても、かわいい子どもたちです。高いところに登ったり走り回っていても、ニタッとした表情に喜びを感じさせてくれます。思うようにいかなくて泣いていても胸にすがりついてくれると、頼られていることに安堵します。疲れていても、しんどくても、子どもたちの顔を見ると、ホッとします。どの子もかけがえのない存在です。優劣をもって人をはかるのではなく、一人ひとりのそれぞれの価値を感じあえる、認め合える世の中であってほしいと願います。