子どもたちの視点で、周りの景色をとらえていくのは大切なことです。いつも、どんなところに目を向けて、どんなふうに見えているのか気になります。
玄関先に季節の置物を飾っているのですが、一番に気づいたのは、たんぽぽのTくん。「おばけ、おばけ」とうれしいそうに教えてくれました。朝、バスから降りた子どもたちは教室に向かうのに必死?そんな時は、足元や前方に目が行き、全体をとらえることができません。ゆったりと入って来れると視野が広がります。大人も負われるような状態の時には、目先のことに気を奪われ、「木を見て森を見ず」という状況になります。そんな時は、立ち止まって顔をあげ深呼吸が必要ですね。
子どもの視点で見えたもの(世界)は、子どもたちの気づきでもあります。せっかく気づいたことをほっとく手はありません。「ハロウィンだね」「かぼちゃのおばけ」「おばけなんてないさ(絵本)と同じじゃね」と、気持ちの共感をすることで、教室での絵本や給食の食材やデザートに話題や興味を広げていく事ができます。また、次の日にも、おばけの話題で話が始まります。“見える手がかりを”とよく言いますが、見えるだけではなく、見えているものがどんな意味があるのか伝える必要があります。見えて意味することに気づかせていく事が大切です。夏場は暑くて園庭でのあそびは、禁止でした。玄関には「外ではあそべません」と貼り紙がありますが、これも、この貼り紙を見ながら「暑いから外では遊べないんだって」と伝えていくからこそ、貼り紙の意味ができてきます。外来教室の日には、遊戯室が使えません。「めだかきょうしつ」の貼り紙はありますが、これも、「めだか教室っていうのがあるから入れないんだよ」と意味づけてあげることが大切です。
先日、たんぽぽさんのお帰りの会で、☆マークが話題に出てきました。すると、誰かが服についている☆マークに気づきました。先生は、服の☆マークだけでなく、くつ下の☆マークにも気づき、子どもたちに「☆マークがあるかなぁ?」と話題を広げていました。☆マークを見つけようとあちこちに目を向ける子もいれば、服を示している様子を真似て、☆マークとは関係なく服を見せている子もいました。理解や捉えは違えども、一つのことを通して、つながって楽しいという時を共にできるステキな場面でした。
園の中には、子どもたちの視点での気づきを大切にしていく取り組みや、子どもたちの視点をひろげる仕掛けをしていく生活がありますよ。