『人としての育ちを豊かに、生きる力を高めよう』というのが、療育目標です。毎朝、先生たちは、この療育目標を唱和します。
先日、卒園したお母さんから、二十数歳になるお子さん(れっきとした大人です)の報告をいただきました。このコロナ禍で、事業所へ行くのに、毎朝、検温をしなくてはいけないのですが、始めは、体温計を脇にはさんで、計り終わるまで腕を押さえておかないといけない毎日だったそうです。それが、2カ月半たった今は、体温計を脇にはさむとじっとして、ピピピと鳴ると、机をたたいて知らせてくれるようになったそうです。「20数歳になっても発達するんだなぁ」としみじみ喜ばれていました。生活の中で、援助をすることはたくさん必要な方ですが、いくつになっても自分でできるようになっていくことはありますし、本人自身が必要なことと感じ、伝えることとして、知らせてくれるなんて、ステキなことだと思います。そのことを喜びと感じ、見守ってくれる人がいるなんて、幸せなことだと思います。
人によっては、些細なことだといわれるかもしれません。でも、その人がその人らしく生き、生活や生き方に新たな発見があるというのは、その人が豊かになっている証なのだと思います。子どもたちも、保護者の方々も、職員も、人それぞれが、豊かになっていけるような草笛でありたいと願います。
そう言えば、コロナ感染拡大防止のお願いをした3月に、マスクができないと心配の声があったお子さんたちも、気づけば、マスクをしているではないですか?コロナ禍だからの成長を感じました。
とはいえ、早く、心置きなく、遊び、ふれあい、楽しんで生活をしたいですね。