全障研の全国大会は、開催地ならではの取り組みがあり、その土地の文化や自然、人柄を感じることができるステキな機会だと思っています。昨年度に引き続き、オンラインで行われ、どんなふうになるのかなと少々、不安と戸惑いもありましたが、オンラインだから参加できると良さも感じながらの参加でした。
初日はまさに、静岡焼津のビキニ水爆実験で被ばくした第五福竜丸にまつわる発表や「戦争の真実に向き合う」と題した記念講演を聞くことができました。広島は被爆地であり、あれから76年の歳月が過ぎました。私を含め私たちより若い世代は戦争を知らず、平和ということばすら気にせずに日々を過ごすことができているように感じる世の中です。講演会の中では、日本のやってきた私利私欲のための軍事政権の在り方、人権を無視される社会情勢について伝えられ、知らない事実に衝撃を受けました。また、ビキニ水爆実験での被ばくした方々の苦しみや家族を含めた生活の変貌など、核兵器廃絶の必要性を強く感じました。終戦から76年たちはするものの、今の世界情勢や政治姿勢は、憲法三原則の「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」を揺るがす心配もあるのではと感じました。障害のある子どもたちや人びとだけでなく、私たち国民一人ひとりを大切にする世の中でなくてはいけないと、あらためて感じました。
2日目は、「保育・療育の実践(発達のおくれ、知的障害)」の分科会に参加しました。児童発達支援センターでの取り組みの発表がありました。コロナ禍、草笛学園と同様に、今までとは違う条件で、やり方をいろいろと変え、何を大切にしていくのかと行事や活動を考えていました。その中で、欠かせなかったのが、子どもの好きな遊びや思いが取り組みや生活の中心におかれていることでした。大好きな遊びがあり、それをたっぷりとできることで、周りに目を向け、みんなのしていることにも興味を向けていく姿がありました。かといって、すぐに参加できるわけではありませんし、興味を向けたからといって面白いことになっていくとも限りません。先生たちの取り組みはできるできないという視点ではなく、安心して生活できる場面や人との関係を生活の中にしっかりと作っていくということだったと思います。草笛でのとりくみと似ているなぁと、うれしく思いました。
木下孝司先生のまとめのコメントに、「先生たちが安心の土壌を作ってきている」「子どもたちの要求は、保育経験で作られていく。それは、自然や文化の力が大きい」とありました。私たちは、定型発達を求めての能力を求めているわけではなく、それぞれの子どもが子どもらしく、それぞれが生きていくための豊かさを広げていく力を育てていく事に取り組んでいるのかと改めて感じました。全国に同じ方向を向いて、子どもたちや保護者と向き合あっている方々がたくさんいることに、喜びと勇気をいただき、また、これからの子どもたちの希望に向かって、頑張っていきたいと思います。