いよいよ、2学期が始まります。ここにきて、恐ろしいくらいの暑い日が続いています。残りのプールがもっとあればいいのにと思う今日この頃です。
三密を避けて、今年のプールは毎日続けてはいるわけにはいかなくなりました。さらに梅雨明けも遅く、プールの取り組みは少し物足りなかったかもしれません。新園舎になってから初めてのプールで、どんな活動や流れをしていくのかも試行錯誤でした。活動というのは、プールで水かけをしたり、ゆさぶりをしたり、ワニ歩きをしたり、竿くぐりをしたり、宝探しをしたり、伏し浮きをしたりと、まさにプールの中ですることでもあります。でも、それだけではなく、水着を出すことも着替えることも活動です。体操もそうですし、プールへの移動もそうです。タオルを所定の場所にかけること、シャワーをあびること、タオルで水をふき取ること、身体をタオルで隠して移動することもそうです。たくさんのことがプール活動には含まれています。もちろん、どれも大事な活動ですが、子どもによって、その中の大切な活動は違ってきます。
そんな中で、私が大事に見ているのが、移動です。
プールに向かっていくこと!プールから教室に帰っていくこと!
子どもたち自身が、プールに入りたいと思い続けているか?を確かめることができます。教室からプールに向かうには玄関を通り抜けていかなくてはいけません。扉が開け広げ、ローカが見渡せるようにします。ですが、プールではなく、玄関方向(外へ遊びに行く)に行くこともできます。プールや教室に向かってほしいわけですが、外に遊びに行こうと思っている子もいるわけです。そういう時は、扉の隙間から、玄関にすり抜けていきたくなってしまいます。じゃぁ、その隙間を椅子や板でふさぐという手もないわけではありません。それは、プールや教室にいってほしいという大人の思いをかなえるためであって、子どもたち自身の思いをなきものにして考えることになってしまいがちです。だから、あえて、隙間や寄り道を大切にみていきます。
プールに向かうのは、どの子も楽しみなのでしょう、比較的どの子も張り切ってプールに向かいます。「いってらっしゃい」と声をかけると、手を振って勇んで足を進めていきます。一方、帰りは、寄り道も多いです。楽しいプールが終わってしまったので、足を進める理由は薄れてしまうのでしょう。ローカにおいてあるおもちゃが気になったり、給食のリフトが気になっていたり、玄関先でぶらぶら(あまり意味はなさそうな様子)したり・・・教室へ帰りかけてるのに、もどってきたり。おもしろい動きをしてくれます。子どもたちの拭き残っている水がしたたるローカを棒ずりで拭くかに見せて、そんな子どもたちの動きを見ています。ここでの寄り道は、しっかりと目的になっていない教室へ向かうよりも、なにか楽しみにとなることがないかなぁと探索している姿です。楽しみというのは、大人が与えることも必要なのですが、子ども自身が感じ取っていくことも必要なことです。なので、子どもによっては、追いかけて(遊びとして)教室に向かわせる子もいれば、しばらく、寄り道を良しとして様子を見てあげる子もいます。最終的には、部屋へ向かうことになっていくので、急ぐ必要はないのです。
進むべき道だけを用意しておくことも必要な時期もありますが、どの道を進めばいいのかを、自分で〇〇へ行こうと決められる、選べる環境は用意してあげることも必要なのだと思います。子どもたち自身で移動するという経験は、「あそこまでいける」「行って戻ってこれる」という自信にもなります。勝手気ままに動くのと、自分自身で考えて動くでは意味が違います。子どもにとっての喜びと自由の獲得につながっていくと思います。日々の何気ない活動には、子どもたちの成長をより太く深いものにしていく要素が入っています。プール参観では、プール活動のあれこれを見てもらえたらと思います。